Ryuichi Sakamoto World tour 2011

教授のコンサート。ロンドン〜パリを回ってドイツにやってきたワールドツアー2011です。その11月6日のドイツはドルトムント市で行われたコンサートに行って来ました。

日本人観客は数えるほどしかいなく、殆どはドイツ人でした。さすがは世界の坂本です!
席は前から15列目の真ん中辺りで、教授の手の動きもよく見える角度&距離でした。

坂本龍一のイメージが、細身でスラっと背が高く・・・って思っていたのですが、意外にガッチリと日本人体型でびっくりでした。

ピアノの席に付く前にピアノの弦を一本だけ引きぬいて丸めて後ろにポイっ!あれは弦だったのか?何をポイしたのだろう。。。天才のやることは意味が分かりません(汗;

いざ演奏が始まると、やはり芸術でした。坂本教授の奏でる音というのは優しさと力強さと安心感がある。チェロ奏者はおじいちゃん?って感じのヒゲを生やしたアメリカ人?西洋人でした。バイオリンは若くてちっちゃな女の子って感じのアジア人。

「戦場のメリークリスマス、ミスターローレンス」が流れた時には涙が出そうになりました。全体を通して何が良かったかと言うと、30年前のYMOの頃から知っているんですよね、坂本龍一の存在を。あのテクノサウンドを作っていた彼の行き着いた所が、このピアノとチェロとバイオリン。

彼は、お金を稼ぐために演奏してないんですよ。自分の名声を広めたいから世界ツアーをしてるわけじゃない。テクニックを見せたいからコンサートを開いていない。純粋に「楽しいから」「好きなんだよねー」って演奏している。そして自分じゃなくて若い小さな女の子の将来を考えてトリオのメンバーに入れている。決して若い兄ちゃんを呼び込むためのまき餌じゃない。

そういう意味で、坂本龍一の凄さを味わい、彼の歴史を自分なりに振り返り、「いけないルージュマジック」の頃の忌野清志郎とメイクをしていた顔を思い出しながら、目の前の白髪頭と演奏中にずり落ちてきそうな黒縁メガネを右手人差し指でクイッと上げる教授の仕草を見ながら…。自分の晩年もお金ではなく名誉ではなく、教授のように純粋に楽しく好きな事をして過ごしたいなと思いながら、僕の憧れの視線の先から流れてくる名曲の数々に酔いしれていました。

約2週間前に行われたパリ公演のライブの音源が、既にiTune Storeで購入できるそうです。曲順もドイツで行われたコンサートと同じなので、早速購入して自分の50歳代はどう過ごそうかを教授の曲とともに考えながら、もう終わりに近づいているデュッセルドルフの秋を堪能したいなと思います。

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