プライドは成長を止める。

一ヶ月の間に、いくつもの相談メールが届きます。

僕の20年以上の理美容の経験と実績、海外での挑戦などの歴史が誰かの役に立つのであれば・・・という意味を込めて、相談を来たメールは、ほぼ返事を送らせて頂いております。例外として、あまりにも失礼な文章の書き方、社会人として基本的な常識の欠如しているメールは返事をしない場合がありますけど(苦笑)

きっと、他にも同じような悩みを持っている理容師・美容師さん。同業者じゃなくても共通して解決のヒントになるような題材は皆でシェアしていこうと思い、僕の返信したメールを少し修正して掲載いたします。

今回のメールの相談者はA美さん。海外で働いているけれど、高級店で週に5日働くべきか(レベルの高い仕事を見ることはできるけれど、自分にお客さんを与えてくれないオーナー、他のスタッフもモチベーションがない)。その反面、料金の安いサロンで週5日間働くか(仕事はどんどん回ってくるけれど、自分の技術を安売りしているような気がして、技術の進歩があまり見込めない…)、どっちで働くべきか?といった内容の相談でした。

そこで、以下は僕からの返事を、できるだけ原型を崩さないように掲載します・・・。

A美さん
まず考えなくてはならないのは、100%理想のサロンは自分でオープンさせるまで得ることができないというのを認識することです。自分でオープンさせても、100%思ったとおりになんてできないくらいですから、雇われている間には、1(いち)従業員の100%の理想は絶対に叶えられません。

そして、自分の5年後の目標を明確にすることです。
技術力はどのくらいで、料金はどのくらいで、何人くらいの固定客をかかえて、その場所はどこで、それは何年後に達成するのかを、できるだけイメージでよいので膨らませます。それができたら手帳などに書きとめて夢の実現第一歩にします。想像だけでは叶えませんので、形にする第一歩でノートに書きます。

形にできたら、手始めに何ができるか考えます。技術力がなければ高料金は取れません。人間性が無ければたくさんのお客さんには来てもらえません。都会の一等地で髪を切っていてもたくさんの人には来てもらえません。それは一年後なんか急に叶うわけがありません。じゃー、何からやったらいいのか。。。

高料金のサロンでご飯が食べていけない・・・とおっしゃっていましたが、それはどうしてかを考えるべきです。技術力が伴えば、カット100ドル(一万円)のサロンでも十分に食べていけます。しかし、お客さんは少しは来るけど食べていける給料はもらえない・・・・という理由は「技術力がない」「集客力がない」からです。あれば絶対にお客さんが来て売り上げが上がって食べていけます。

ビジネスの料金を決める方程式のようなものがあります。例えば50ドルチャージして、2週間先まで予約が埋まるようでしたら、値上げの時期と判断できます。60ドルにしても3週間先まで予約が埋まるようでしたら70ドル・・・100ドル・・・というふうに、数のバランスで料金を上げれます。しかし、60ドルチャージで数が集まらず、食べていけないのなら50ドルに下げ、それでも食べていけないのなら30ドル、それでも駄目なら20ドル・・・・ゼロよりはましですから。

どう考えても20ドルよりは40ドルチャージしたいですから、それで皆、技術力を磨いたり、サービスを考えたり、中には設備投資をして飛行機の中のように液晶テレビを椅子に1個づつ付けたり、あの手この手で付加価値を付けて、カット料金に対する価値を増やして行こうとします。日本にいた時の後輩(経験3~4年目)には、「お客さんの髪を使って日々練習をさせてもらいながら、更にお金を頂く。本当は君が練習モデル料としてお金を払わなくてはいけないのに、頂いているんだから頭を下げて感謝しなさい、心からお客様に有難うございましたと言えるはずだ」と教えていました。なので、60ドルを払ってくれるお客さんが偶然で、20ドルを払ってくれているお客さんも奇跡で、本当なら経験を積ませて頂いているのだから私がお金をお客さんに「練習させてくれてありがとう」と払わなくてはいけないのに・・・・と思わなくてはいけません。

そして、プライドは大切かもですが、ありすぎると成長を止めます。何もかもがプライドで覆われると、成長できなく自滅します。そんな人を山ほど見て来ました。働いているサロンの名前や料金を友達に言うのが恥ずかしいと思うのは間違いです。それなら60ドル、100ドルのサロンで予約が2週間先まで埋まるような技術を身につけるべきです。他の同僚の美容師のプロ意識が薄い、他のスタッフのカットが適当、他の人が・・・先輩が・・・後輩が・・・。その前に自分です。人は関係ありません。日本にいたって、モチベーションの低いサロンは山ほどあります。その人達のせいにする前に、自分だけでも頑張ればいいことです。他人のことが目障りなのは、自分が本気で集中して目標に向って頑張ろうって進んでいないからです。本気でやっていてれば、周りなんてどうでもいいことですから。いや、逆に回りなんて見えません。それが3年続いた時、自分はかなりの成長をしております。石の上にも3年です。僕も前のオージーのサロンで4年近く辛抱しましたから。誰も3年もそのサロンにいれとは言っていません。普通の人が3年でやることを1年でやれば良いわけです。実際に僕は見習いの時、365日練習して、先輩たちが3年で覚えたことを1年で見に付けて、経験1年半で店長代理まで登りつけましたから。そりゃ休日も返上で毎日毎日練習をするわけです。

日本で一番になるためには、まず学校のクラスで一番にならなくては駄目なんです。そして区の中で一番に、そして市の中、そして県の中で一番。。。。。20ドルのサロンの中で一番にならないと30ドルのサロンでは一番になれません。必要なのは、まずは今、働かせて頂いている、ご飯を食べさせていただいている、家賃を払わせてくれている、生活させて頂いているサロンに誇りとプライドを持って、私はここで一番になる!というのを目標に、それから次の上のサロンで一番を目指す。

もちろん一番になるためには、技術と人間性を高めないといけません。そのためにはサロン外のところでカット教室をうける、たくさんの人と触れ合う、ボランティアをするなど、努力をしないと駄目です。

努力と結果は比例します。今、どうして自分は低いレベルにいるのだろうと考えた時、それは努力が足りないからです。もしくは間違った方法で努力をしているからです。他力本願にならないよう。今の現状に感謝をすること。そして上に上るために何からするべきかを考える事。今、カラーができないということは、先にカットをマスターすれという事かもしれません。もう一度教科書を読み返して理論を毎日読んで勉強するなど、カット、カラーの両方を平行して勉強してもよいわけです。

僕がブリスベンに来た当事、日本で経験が14年ありました。でもブリスベンでは僕の事は誰もしらないわけです。エアコンの無い部屋、暖房の無い部屋、配管むき出しの勉強机を改造したシャンプー台、その中でカット20ドル、メンズ15ドルで2年間仕事をして顧客数を集めようと真剣に仕事してました。恥ずかしいと一度も思ったことはありません。20ドルで安いと思ったことはありません。逆に感謝してました。最高で4週間先まで予約が埋まったとき、申し訳ないですと行って料金を5ドルだけ上げました。そして予約は3週間先まで埋まるように落ち着きました。その後、サロンに勤めたときにレディスカット50ドル、メンズ40ドルのサロンで働きました、お客さんの数は半分になりました。半分のお客さんは、僕の技術は25ドルだから来てくれて50ドルだと高いと判断したわけです。それで僕は技術力を磨くためにまた勉強するんです。経験16年目の時です。

これを読んでいる若い理容師・美容師さんの経験どのくらいでしょうか・・・?今までの美容師人生、トータルして練習時間はどのくらいでしたか?毎日毎日、その日のお客さんに対しての反省日記をつけてますか?そのくらいやってる美容師でも25ドルから50ドルに料金が変わっても半分に減るんです。もっと、自分のレベルがどの程度なのか、努力が足りているのか、全てにおいて見つめ直してスタートを切る必要があると思います。頑張って下さい。夢が大きくなればなるほど、努力が必要です。でも、諦めるまで夢は逃げません。

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